業務改善助成金

業務改善助成金の概要、令和8年改正を解説

Q1.そもそも業務改善助成金とは、どんな制度ですか?

A1. 業務改善助成金は、生産性向上に資する設備投資等(機械設備導入やコンサルティングなど)を行うとともに、事業場内最低賃金を一定額(各コースに定める金額)以上引き上げた場合、その設備投資などにかかった費用の一部を助成するものです。

正式名称は、中小企業最低賃金引上げ支援対策費補助金です。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/zigyonushi/shienjigyou/03.html

中小企業事業主とは

以下のA又はBの要件を満たす事業者です。

令和7年度改正で、大企業と密接な関係を有する企業(みなし大企業)は対象外となりました。
例 発行済株式の総数又は出資価格の総額の2分の1以上を同一の大企業が所有している中小企業事業者

Q2.業務改善助成金の手続きの流れはどうなりますか?

A2. 業務改善助成金・手続きの流れについて、下記を参照お願いします。


Q3.業務改善助成金の助成率、助成上限額、特例事業者について

A3. 下記のようになります。

〈助成率〉

令和8年度【助成率】

1,050円未満 1,050円以上
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申請を行う事業場の引き上げ前の事業場内最低賃金によって、助成率が変わります。

〈助成上限額〉

業務改善助成金 助成上限額

※10人以上の上限額区分は、〈特例事業者〉が対象です。
特例事業者とは、事業場内最低賃金が1,050円未満の事業場に係る申請を行う事業者、物価高騰等要件に該当する事業者となります。

〈特例事業者〉

①賃金要件 申請事業場の事業場内最低賃金が1,050円未満である事業者
②物価高騰等要件 原材料費の高騰など社会的・経済的環境の変化等の外的要因により、申請前6か月間平均における利益率が前年同月に比べ3%以上低下している事業者
② 物価高騰等要件に該当すると可能
パソコン、タブレット、スマートフォン等の端末及び周辺機器の新規購入

Q4.業務改善助成金の就業規則例を教えてください。

A4. 時業務改善助成金の就業規則例は以下のようになります。

(事業場内最低賃金)

第○条 当社における最も低い賃金額は、時間給又は時間換算額1,050円50銭とする。
ただし、最低賃金法(昭和34年法律第137号)第7条に基づく最低賃金の減額の特例許可を受けた者を除く。

2 前項の賃金額には、最低賃金法第4条第3項に定める賃金を算入しない。
また、時間換算額の算出方法は、最低賃金法施行規則第2条の定めるところによる。
附則 この規程は、令和8年9月21日から施行する。

Q5.助成対象経費は具体的にどんなものですか?

A5. 助成対象となる経費は「生産性向上・労働能率の増進に資する設備投資等」です。

【システム等】

売上・売掛・請求管理システム、勤怠システム、給与システム、財務システム、POSレジのシステム、CAD、専門業務ソフト等の生産性がアップするシステム
例えば5年分一括払いしたライセンス、保守料でも助成実施年度を含め3年分が助成対象となります。

【機械等】

シャリ弁ロボ、食器洗浄機、オートフライヤー、自動海苔巻き機、POSレジ、セルフレジ、自動券売機、自動釣銭機、お運びロボット、溶接機、塗装機械、自動かんな盤、インパクトドライバ、電動マルノコ、高所作業車、草刈り機、フォークリフト、車いすごと乗車できる特殊車両等、歯科医師が使うレントゲン装置

【その他】

工場・店舗の生産性向上のためのレイアウト変更工事、FC本部から購入するオートフライヤー、自動券売機等

Q6.業務改善助成金の令和8年度改正の内容とはどんなことですか?

A6. 業務改善助成金の令和8年度(改正) は、下記の通りです。

① 助成率の基準額が1,000円→1,050円に引上げ

  • 事業場内最低賃金1,050円未満:4/5
  • 事業場内最低賃金1,050円以上:3/4

② コース区分が・50円コース、・70円コース、・90円コースと3区分に

令和7年度の4コースで、・30円コース(30円以上)、・45円コース(45円以上)、・60円コース(60円以上)、・90円コース(90円以上)から
令和8年度は3コースで、・50円コース(50円以上)、・70円コース(70円以上)、・90円コース(90円以上)となりました。

③ 令和8年度の申請期間

令和8年9月1日~申請事業所の都道府県において適用される地域別最低賃金の発効日の前日又は同年11月30日のいずれか早い日となりました。

④ 賃金引上げに当たっての注意点

  • 賃金引上げは、申請より後に行う必要があります。また、地域別最低賃金の発効に対応して事業場内最低賃金を引き上げる場合、申請後から発効日の前日までに引き上げていただく必要があります。
  • 賃金引上げ後の事業場内最低賃金額と同額を就業規則等に定めていただく必要があります。
  • 複数回に分けての事業場内最低賃金の賃金引上げは認められません。

⑤ 特例事業者の要件 最近6か月間平均に

交付要綱第4条第3項に定める特例事業者とは、以下の(1)又は(2)のいずれかの要件に該当する中小企業事業者をいう。

(1)賃金要件

賃金要件に該当する場合とは、事業場内最低賃金が1,050円未満の事業場をいう。

(2)物価高騰等要件(事業場内最低賃金が1,050円以上の事業場を含む)

物価高騰等要件に該当する場合とは、原材料費の高騰など社会的・経済的環境の変化等の外的要因により、最近6か月間平均における売上高総利益率又は売上高営業利益率が、前年同期に比べ3%ポイント以上低下している事業者をいう。
なお、事業開始から1年に満たない場合で、前年同期と比較することができない場合は、事業開始日以降で適切と認められる期間の値と比較する。

⑥ 乗車定員7人以上又は車両本体価格200 万円以下の乗用自動車や貨物自動車は除外

物価高騰等要件に該当する特例事業者でも、「乗車定員7人以上又は車両本体価格200 万円以下の乗用自動車や貨物自動車」は令和8年度から除外されました
なお、パソコン(タブレット端末、スマートフォン及びその周辺機器を含む。)の新規購入は可能です。

⑦ 特殊用途自動車(「8ナンバー車」)を導入可能

特殊用途自動車として助成対象となるのは、原則、車両に対して付与されるナンバープレートの「車種を表す数字」が8で始まるものになります。
また、「使用の本拠の位置」は、申請事業場の住所である必要があります。例: リフト付き乗用車、冷凍車、クレーン車等
また、導入時に、車両本体以外で、通常装備、 検査登録(届出)手続の代行費、車庫証明手続の代行費、納車費用等です。

⑧ 事業場内最低賃金は、1,050円50銭のように銭までの表示

時間額以外の方法で賃金額が定められている場合であれば、1時間当たりの額に1円未満の端数がでる場合についても、その賃金額を基準に申請コース区分の金額以上引き上げれば、本事業における引上げと認められます。
例えば、1時間当たりの額が1,050円50銭の場合、1時間当たりの額を1,100円50銭以上に引き上げることとすれば、50円コースの引上げと認められます。

(事業場内最低賃金)

第○条 当社における最も低い賃金額は、時間給又は時間換算額1,050円50銭とする。
ただし、最低賃金法(昭和34年法律第137号)第7条に基づく最低賃金の減額の特例許可を受けた者を除く。

2 前項の賃金額には、最低賃金法第4条第3項に定める賃金を算入しない。
また、時間換算額の算出方法は、最低賃金法施行規則第2条の定めるところによる。
附則 この規程は、令和8年9月21日から施行する。

⑨ 引き上げる対象労働者は、雇用保険被保険者が対象

引上げ対象となる労働者とは、雇入れ後6月を経過した労働者であり、申請書の提出日において雇用保険被保険者であることになりました。

⑩ 動線確保に伴うレイアウト変更、ランディングページの作成、コンテナ等は除外

  • 不快感の軽減や動線確保等による快適化を図ることを目的とした職場環境の改善経費((例)動線確保に伴うレイアウト変更、エアコン設置、執務室の拡大、内装工事等の改築費用、机・椅子の増設、空調服等)
  • 広告宣伝費・販売促進費(パンフレット、動画、写真等の作成及び媒体掲載、デジタルサイネージ等による掲載、展示会の出展、セミナー開催、市場調査、営業代行利用、ランディングページの作成、マーケティングツール活用等)
  • 建築物構築関する経費、その他の費用((例)工場建屋、構築物、簡易建物(ビニールハウス、コンテナ、ドームハウス、室内の作業スペース等)の取得費用及びこれらを作り上げるための組み立て用部材の取得費用)

⑪ 事業完了日は、延長しても3月31日まで

事業完了日は、①導入機器等の納品日、②助成対象経費の支払完了日、③賃金引上げ日(就業規則等の改正日)のいずれか遅い日となります。
なお、事業は原則として交付決定の属する年度の1月31日までに行う必要があります。ただし、やむを得ない理由がある場合は、申請書に任意様式の理由書を添付し、所轄労働局が認めた場合は、交付決定の属する年度の3月31日までとすることができます。

⑫ 同一条件の仕様による二者以上の見積もりが必要

  • 申請者がフランチャイジー等の場合、フランチャイズ契約等により指定された業者以外の者から購入できる場合に、申請が可能です。申請をされる場合には、同一条件の二者以上の見積書とフランチャイザーやその指定業者以外の者から購入できる指定業者以外から購入できることがわかる書面(例:フランチャイズ契約書等の写し)を提出してください。
  • 自社、自社の親会社、子会社、グループ企業等の関連会社(資本関係のある会社、役員を兼任している会社、代表者の親族(3親等以内)、同一事業主、自社社員が経営する会社 等)、代表者の親族作成の見積書は提出可能な見積書として認められません。
  • 中古機械設備など、価格設定の適正性が明確でない中古品とする場合には、三者以上の古物商の許可を得ている中古品流通業者から型式や年式が記載された相見積を提出する必要があります(販売実績や事業実績の確認が取れない場合等には、適切な見積として認められません。)
  • 知的財産権等により、販売元が限られ、かつ生産性向上が同様に図られる機器がなく比較可能な見積書が提出出来ない場合には、特許(登録)証等により客観的に販売元が限られていることがわかる資料を提出する必要があります。

⑬ 不交付要件の3年→5年に延長

不交付要件が、「交付申請書及び事業実績報告書の提出日から起算して過去5年以内」に所轄労働局長から補助金の決定取消・処分を受けている場合になりました。