キャリアアップ助成金 3%アップ要件 固定残業代(みなし残業代)について
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今回は、「キャリアアップ助成金 3%アップ要件 固定残業代(みなし残業代)について」 について説明します。
【事例】
Q 当社では、有期雇用期間においては基本給250,000円(残業手当を含む)、正社員転換後は基本給275,000円(残業手当を含む)にアップして、キャリアアップ助成金(正社員化コース)の支給申請をしたところ、
労働局から当該残業手当の相当する時間外労働等の時間数又は金額を疎明書(申立書)にして提出せよ。という指示がありました。どうしたらいいですか?
A 平成29年7月31日付け基発0731第27号及び平成29年7月31日付け基監発0731第1号により、
「固定残業代については、相当する時間外労働等の時間数又は金額を明示するなどして、通常の労働時間の賃金に当たる部分と割増賃金に当たる部分とを明確に区別できるようにしているか確認すること。」としています。
したがって、基本給に残業代を含むという賃金制度は、疎明書(申立書)で固定残業に相当する時間外労働等の時間数又は金額を明らかにするように求められます。
下記のような疎明書(申立書)を作成して、労働局に送ります。
令和6年2月10日
○○労働局長殿
申請ひな形株式会社
代表取締役 山田 花子 印
疎明書(申立書)
当社では、有期雇用期間においては基本給250,000円(残業手当を含む)、正社員転換後は基本給275,000円(残業手当を含む)にアップして、キャリアアップ助成金(正社員化コース)の支給申請を行いましたが、残業手当に相当する時間外労働等の時間数、金額は以下の通りです。なお、賃金規程で月平均の労働時間は160時間としています。
① 有期雇用期間
基本給200,000円 残業手当50,000円(時間外労働等は32時間)
② 正社員転換後
基本給220,000円 残業手当55,000円(時間外労働等は32時間)
以上
[固定残業代(みなし残業代)記載例]
時間外労働の有無に関わらず一定の手当を支給する制度(いわゆる「固定残業代」)を採用 する場合は、以下のような記載が必要です。
① 基本給 ××円(②の手当を除く額)
② □□手当(時間外労働の有無に関わらず○時間分の時間外手当として△△円を支給)
③ ○時間を超える時間外労働分についての割増賃金は追加で支給する。
[参考: 平成29年7月31日付け基監発0731第1号の通達の一部]
労働基準法第37条が時間外労働等について割増賃金を支払うことを使用者に義務づけていることには、時間外労働を抑制し、労働時間に関する同法の規定を遵守させる目的があることから、時間外労働等に対する割増賃金を基本給や諸手当にあらかじめ含めて支払っている場合には、次のことに留意する必要があること。
(1)基本賃金等の金額が労働者に明示されていることを前提に、例えば、時間外労働、休日労働及び深夜労働に対する割増賃金に当たる部分について、相当する時間外労働等の時間数又は金額を書面等で明示するなどして、通常の労働時間の賃金に当たる部分と割増賃金に当たる部分とを明確に区別できるようにしているか確認すること。
(2)割増賃金に当たる部分の金額が、実際の時間外労働等の時間に応じた割増賃金の額を下回る場合には、その差額を追加して所定の賃金支払日に支払わなければならない。そのため、使用者が「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」(平成29年1月20日付け基発 0120第3号)を遵守し、労働時間を適正に把握しているか確認すること。
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