令和7年度助成金改正情報 キャリアアップ助成金「キャリアアップ計画書の認定から届出」「新規学卒者の支給対象外」「通常は40万円、重点支援対象者のみ2期80万円」

2025-05-06

やまがみ社会保険労務士事務所サイトに訪問いただきありがとうございます。
今回は、「令和7年度助成金改正情報 キャリアアップ助成金、キャリアアップ計画書の認定から届出、新規学卒者の支給対象外、通常は40万円へ・重点支援対象者のみ2期80万円、職務限定正社員への転換」について説明します。

やまがみ社会保険労務士事務所 キャリアアップ助成金サイト 令和7年度版に改定しました。

キャリアアップ助成金

1.キャリアアップ助成金 キャリアアップ計画書の認定の廃止について

【山上コメント】
令和7年度の改正で、キャリアアップ計画書の認定が無くなりましたが、記載内容は変わらず、事前に労働局に提出の必要があります。

キャリアアップ助成金Q&A(令和7年度版)4ページ上から1行目
https://www.mhlw.go.jp/content/11910500/001469678.pdf
・キャリアアップ計画書について
Q-2 キャリアアップ計画書が認定制から届出制になったときの取扱いに変更などはありますか。
A-2 キャリアアップ計画書については、事前に都道府県労働局長の認定を受ける必要がなくなりましたが、記載内容や、事前に労働局に提出が必要であるといった点については、変更はありません。
記載内容に不備等がある場合には、提出された労働局から修正等を依頼する場合があります。
なお、計画が認定制から届出制に変わりますが、引き続き、従業員の方のキャリアアップを見据えた計画を作成いただき、それに基づき着実な取組を実施いただくようお願いします。

Q-3 令和7年4月1日より前にキャリアアップ計画書を提出し、認定を受けている場合、再度キャリアアップ計画書を提出する必要がありますか。
A-3 令和7年4月1日より前にキャリアアップ計画書の認定を受けている場合は、改めてキャリアアップ計画書を提出する必要はありません。令和7年4月1日より前に認定を受けたキャリアアップ計画書に基づいて、取組を行っていただくようお願いします。なお、キャリアアップ計画書に記載した取組内容に変更が生じた場合は、従前どおり、変更届を提出してください。

2.キャリアアップ助成金(正社員化コース)新規学卒者の支給対象外について

【山上コメント】
新規学卒者とは、学校、専修学校、職業能力開発促進法第十五条の七第一項各号に掲げる施設又は職業能力開発総合大学校を新たに卒業しようとする者及び卒業年度の3月31 日までに内定を得た者をいいます。
新規学卒者であっても、申請事業主に雇い入れられた日から起算して1年以上経過していれば、支給対象となります。

キャリアアップ助成金Q&A(令和7年度版)4ページ下から15行目
https://www.mhlw.go.jp/content/11910500/001469678.pdf
・正社員化コースについて
Q-4 「新規学卒者」の定義を教えてください。
A-4 新規学卒者とは、学校、専修学校、職業能力開発促進法第十五条の七第一項各号に掲げる施設又は職業能力開発総合大学校を新たに卒業しようとする者及び卒業年度の3月31 日までに内定を得た者をいいます。
令和7年3月15 日に卒業した者については、同月31 日までに内定を得ていれば、新規学卒者に該当することとなります。

Q-5 新規学卒者が支給対象外となるとのことですが、具体的にはどういう人が支給対象外となるのでしょうか。また、どういう人であれば支給対象となるのでしょうか。
A-5 新規学卒者で、申請事業主に雇い入れられた日から起算して1年未満の者は、支給対象外となります。例えば、令和7年4月1日に雇用された新規学卒者については、令和8年3月31 日まで支給対象外です(なお、3月15 日に卒業式を迎えたが就職先が決まっておらず4月2日以降に就職先が決まり、5月1日に就職したという者については、支給対象となり得ます。)。
一方、新規学卒者であっても、申請事業主に雇い入れられた日から起算して1年以上経過していれば、支給対象となります。
この取扱いは、新規学卒者を、本来正規雇用労働者として雇い入れることができるにもかかわらず、有期雇用労働者として雇い入れ、6か月経過後に正社員転換を実施し、助成金を支給申請するといった、本助成金の趣旨と離れた活用例があるとの指摘があることを踏まえたものです。

Q-6 新規学卒者で1年以上経っている場合は支給対象になるとのことですが、どのような書類が必要でしょうか。
A-6 新規学卒者が、申請事業主に雇い入れられた日から起算して1年以上経過していれば、支給対象になり得ます。支給要件を満たしていることを確認するために、様式第3号1-2⑱にチェックを入れた上で、対象労働者の卒業年月日や申請事業主に雇い入れられる以前に職歴(昼間学生期間を除く)がないことが分かる応募書類や本人署名入りの申立書等の提出が必要となります。

3.キャリアアップ助成金(正社員化コース)通常は40万円へ、重点支援対象者のみ2期80万円

【山上コメント】
令和7年4月1日以降の
重点支援対象者に該当しなければ、通常の正社員転換から雇入れから(6か月以上)3年未満の有期雇用労働者は、2期(80万円)から1期40万円だけとなりました。
2023年11月29日改正で2期(80万円)に増やして、約1年と4か月後には、1期40万円に減額したということになります。

キャリアアップ助成金Q&A(令和7年度版)5ページ下から16行目
https://www.mhlw.go.jp/content/11910500/001469678.pdf
Q-7 重点支援対象者について、具体的にどういった人が該当するのでしょうか。
A-7 重点支援対象者については、以下のいずれかに該当する方が該当します。
①雇入れから3年以上の有期雇用労働者
②雇入れから3年未満で以下のいずれにも該当する有期雇用労働者
・申請事業主に雇い入れられた日の前日から起算して過去5年間に正規
雇用労働者であった期間が合計1年以下
・申請事業主に雇い入れられた日の前日から起算して過去1年間に正規
雇用労働者として雇用されていない
③派遣労働者、母子家庭の母等、人材開発支援助成金の特定の訓練修了者
なお、③に記載の人材開発支援助成金の特定の訓練修了者とは具体的には、
(1)人材育成支援コース
(2)事業展開等リスキリング支援コース
(3)人への投資促進コース
が該当します。

Q-8 上記②の確認はどのように行うのでしょうか。
A-8 過去5年間に正規雇用労働者であった期間が1年以下であること、過去1年間に正規雇用労働者として雇用されていないことの確認は、所定の様式(様式第3号 1-5対象者確認票)により行いますので、同様式を、対象労働者に記入いただいた上で、申請書類に添付してください。なお、同様式の記載例については、パンフレットP 15 に記載していますので、ご参照ください。
Q-9 ①に雇入れから3年以上の有期雇用労働者とありますが、雇入れ時は無期雇用労働者で1年経過後、有期雇用労働者になった場合はどのような取扱いになるでしょうか。
A-9 正社員転換日の前日から過去3年以内に当該事業主の事業所において無期雇用労働者として6か月以上雇用されたことがある場合、対象労働者としては、有期雇用労働者ではなく、無期雇用労働者として取り扱うこととなります。
キャリアアップ助成金(正社員化コース)職務限定正社員への転換を行う場合について

4.キャリアアップ助成金(正社員化コース) 職務限定正社員への転換について

【山上コメント】
職務限定正社員への転換を行う場合には、「職務が同一の事業主に雇用される正規雇用労働者の職務に比べ限定されている労働者であること。」が必要です。
就業規則において、この要件を満たすことが明確になっていることに加え、実態としても適用されている必要があります。

Q-13 職務限定正社員への転換を行う場合、注意すべき点はありますか。
A-13 「職務が同一の事業主に雇用される正規雇用労働者の職務に比べ限定されている労働者であること。」が必要ですが、就業規則において、この要件を満たすことが明確になっていることに加え、実態としても適用されている必要があります。なお、多様な正社員制度を規定する際の留意点としては、P39 のQ40 を参照してください。

Q-40 多様な正社員制度を設ける上で、留意すべき点は何ですか。
A-40 多様な正社員には、以下の雇用区分が該当します。
「勤務地限定正社員」:転勤範囲が限定されている、転居を伴う転勤がない正社員。
「職務限定正社員」:職務内容が限定されている正社員(※)。 ※例) 高度な専門性を必要とする職務や資格が必要な職務等に専門的に従事する等。
「短時間正社員」:フルタイム正社員と比較して、週の所定労働時間が短い正社員。
留意点としては、いずれの雇用区分であっても、通常の正社員と異なる賃金の算定方法等や待遇は原則として認められません。
(認められる例)
・物価水準に応じた地域手当の支給や賃金係数の設定(現に転勤が生じていないにもかかわらず、将来的に転勤が見込まれることを以て支給する手当や賃金係数は不可。)
・職務に応じて、客観的に合理的と判断できる支給基準、算出方法で設定された職務手当
(認められない例)
・給与の算出、支給形態が異なる(通常の正社員は月給制、多様な正社員は時給制)
・基本給、賞与、退職金等、賃金の算定方法が異なる (短時間正社員の労働時間の差における算定方法の違いは除く)
・その他待遇(休日、昇給、昇格等)に不合理な差が存在する

人事制度等の助成金なら、やまがみ社会保険労務士事務所までお問合せください。

ご相談は無料です。お問い合わせはこちら

←「」前の記事へ