キャリアアップ助成金(正社員化コース) R4.10.1改正点 試用期間対策はしていますか?
やまがみ社会保険労務士事務所サイトに訪問いただきありがとうございます。
令和4年10月1日転換からキャリアアップ助成金(正社員化コース)の要件が変わりました。今年4月以降の支給申請で影響します。半額、不支給にならないように気をつけてください。
正社員就業規則に試用期間の規定があると、その期間は正社員とせず、期間契約(有期)とみなす。⇒試用期間があると、無期雇用から正社員になったとみなして、支給申請時期は遅くなり、支給されても半額の28.5万円/1人支給となります。
□改正概要
キャリアアップ助成金Q&A(令和4年度)(令和4年12月7日更新)
https://www.mhlw.go.jp/content/11910500/001019533.pdf
P20 上9行
Q-21 正社員転換後に一定期間試用期間を設けています。支給対象になりますか。
A-21 令和4年9月 30 日までの転換等の場合は、「正社員待遇が適用されていない(試用期間中は賃金が低いなど)正社員としての試用期間中の者」に限り、正社員とは見なさないこととしていますが、令和4年 10 月1日以降に転換等を実施する場合は、正社員待遇の適用の有無に関わらず、正社員転換後に試用期間を設けている場合は、当該期間は正社員と見なしません。
試用期間中は非正規雇用(無期)と見なしますので、「有期→正規」の申請であったとしても、「無期→正規」の申請として受理、審査し、支給額を決定することとなります。
(※正社員転換を希望する者の見極めは原則として転換前及び転換時に行い、社外採用時に設けるような試用期間は設けないことを推奨しております。)
【設定】
1. 就業規則に、労働者として新たに採用した者については、採用した日から3か月間を試用期間とする。という規定がある。
2. 令和4年10月1日正社員転換
3. 賃金は、月末締め翌月10日支払い
4. 期間契約労働者の令和4年4月分~令和4年9月分賃金は月給制で基本給のみ200,000円
5. 正社員の令和4年10月分~賃金は月給制で基本給のみ206,000円
【支給申請時期が試用期間の分遅れます】
Q1 令和4年10月1日に正社員転換した場合の支給申請時期はいつですか?
A1 令和4年10月1日に正社員転換したが、試用期間3か月は無期雇用とみなされ、無期雇用から正社員となったとみなされるのは、令和5年1月1日となります。
令和5年1月1日から6か月分後の賃金を支払った日(令和5年7月10日)の翌日から2か月間です。
結果として、令和5年7月11日~令和5年9月10日となります。
令和5年4月11日から令和5年6月10日と思って、郵送申請したりすると早すぎる支給申請となり、取り下げ(申請書類は戻ってこない)を要求されます。
【28.5万円/1人となること、転換日が試用期間の分遅れ、3%アップができないときがあります】
Q2 令和5年7月11日~令和5年9月10日の支給申請となることはわかりました。支給額はどうなりますか?
「無期→正規」の申請として受理、審査し、支給額を決定するため、28.5万円/1人となります。
ただし、このケースは令和5年1月1日転換となり、
期間契約労働者の令和4年4月分~令和4年9月分賃金は月給制で基本給のみ200,000円
正社員の令和4年10月分~賃金は月給制で基本給のみ206,000円では
令和4年7月分~9月分賃金200,000円×3か月と令和4年10月分~12月分賃金206,000円の1,218,000円と
令和5年1月分~6月分賃金206,000円×6か月分の1,236,000円を比較して、3%アップ要件を見ます。1.47%だけであり不支給です。
28.5万円/1人でももらうためには、支給申請までに気が付いた場合には、3%アップ要件のためにさらに昇給が必要です。
□対策1 試用期間規程を削除する。
□対策2 期間契約社員からの正社員転換においては、試用期間制度は適用しない。等の除外規程を追加する。
正社員就業規則(モデル就業規則)
(試用期間)
第6条 労働者として新たに採用した者については、採用した日から3か月間を試用期間とする。
2 前項について、会社が特に認めたときは、試用期間を短縮し、又は設けないことがある。
3 試用期間中に労働者として不適格と認めた者は、解雇することがある。ただし、入社後14日を経過した者については、第51条第2項に定める手続によって行う。
4 試用期間は、勤続年数に通算する。
(5 期間契約社員からの正社員転換においては、試用期間制度は適用しない。)
6つのチェックポイントを確認してください。一つでもあると、半額ないし対象外となります。
(1) 正社員就業規則に試用期間の規定があると、その期間は正社員とせず、期間契約(有期)とみなす。
(2) 正社員賃金規定で、賞与または退職金のどちらかは必須とする。
(3) 正社員賃金規定で、昇給は必須とする。
(4) 期間契約社員就業規則、賃金規定では、正社員と基本給、賞与、退職金、各種手当等の一つ以上で違いが必要である。
(5) 期間契約社員就業規則、賃金規定は、正社員転換6カ月前から必要である。
(6) 期間契約社員就業規則では、具体的な契約期間の定めが必要である。
【ビスアップ総研 第13回 助成金収益化実践塾】
4月18日(火)、5月9日(火)、5月23日(火)、6月6日(火)
https://www.bmc-net.jp/subsidy/
助成金ガイダンス
令和4年10月1日キャリアアップ助成金改正点の解説
働き方改革推進支援助成金(労働時間適正管理推進コース)
働き方改革推進支援助成金(適用猶予業種等対応コース)
働き方改革推進支援助成金(労働時間短縮・年休促進支援コース)
キャリアアップ助成金(正社員化コース)
65歳超雇用推進助成金(高年齢者無期雇用転換コース)
助成金の失敗事例と申立書、労働局調査時対応ロープレ等
人事制度等の助成金なら、やまがみ社会保険労務士事務所までお問合せください。
←「働き方改革推進支援助成金53 フランチャイズ店舗のフランチャイジーが申請者で改善事業受託者がフランチャイザーである場合、いわゆる自己取引に該当する」前の記事へ
次の記事へ「支給要件確認申立書 R5.4.1改定しました。」→