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これで不支給?!働き方改革推進支援助成金(時短・年休コース)その1 特別休暇
今回は、働き方改革推進支援助成金(時短・年休コース)の特別休暇設定の落とし穴について説明します。
1.概要
不妊治療に関する休暇を設定するにあたり、社員が不妊治療を行うため入院または通院する場合、「4時間の時間単位」の有給による休暇を与える。と就業規則に定めた。
特別休暇を1日以上与えていないので、不支給です。
2.不支給根拠
R03 働き方改革推進支援助成金Q&A 令和3年7月30日改定版20ページ
Ⅱ-31 問合せ内容
特別休暇制度を新たに導入する場合、取得単位や取得時期、取得日数に制限を設けることも差し支えないか。
回答
取得時期、取得日数に制限を設けることは問題ない。ただし、取得単位に関しては、本助成金の成果目標となる特別休暇は原則として「日」を単位とする休暇であるので、時間単位でしか休暇を認めない制度は成果目標とは認められない。
(R03 働き方改革推進支援助成金Q&A 令和3年7月30日改定版は、当事務所では、行政文書開示請求で取得したものです)
3.なぜ、やってしまうのか?
では、なぜ、時間単位でもいいと誤認してしまうのでしょうか?
働き方改革推進支援助成金(労働時間短縮・年休促進支援コース)申請マニュアル
(2021年度)https://www.mhlw.go.jp/content/000790056.pdf
P5 下7行
(規定例2:不妊治療に関する休暇)
第〇条 社員が不妊治療を行うため入院または通院する場合で、その勤務しないことが相当であると認められるときには、必要と認められる日数(時間数)について、有給による休暇を与える。
としていて、( )書きの優先から、時間単位で与えてもいいかのような印象があるからです。
4.対応策等
1日以上の日数での設定をするしかないです。
なお、設定単位が1日単位であることについて、都道府県労働局では、申請者から問合せがあれば、1日単位でと回答しているようです。
人事制度等の助成金なら、やまがみ社会保険労務士事務所までお問合せください。
これで不支給?! キャリアアップ助成金(正社員化コース)その4短時間正社員の残業
今回は、有期期間は残業ができて、短時間正社員転換後は残業ができなくなる落とし穴について説明します。
1.概要
B社では、(1日8時間の)正社員がいました。(1日6時間の)有期契約社員を(1日6時間の)短時間正社員に転換し、短時間正社員の6か月間に、1日8時間を超える残業を毎週のようにさせて、キャリアアップ助成金(正社員化コース)57万円を支給申請した。
2.不支給根拠
「キャリアアップ助成金パンフレット」(※令和3年6月24日更新)
https://www.mhlw.go.jp/content/11650000/000765576.pdf
P10 表中、短時間正社員
短時間正社員の定義で、ハ 所定労働時間が、同一の事業主に雇用される正規雇用労働者の所定労働時間に比べ短い労働者であること。
結局、度々に、正社員の所定労働時間を超えて労働させてしまうと、短時間正社員とならないので不支給です。
3.なぜ、やってしまうのか?
では、なぜ、短時間正社員に正社員の8時間を超えた残業をさせてしまうのでしょうか?
会社側の意識で、短時間正社員でも正社員であり、賞与あり、昇進ありでは、最後まで仕事が終わるまで残って当然と思っていること。
有期期間の間の残業ができて、責任ある短時間正社員になると残業ができなるのは理解できないこと。
4.対応策等
平均して正社員と同じくらい働くのであれば、1か月単位の変形労働時間制等で短時間正社員ではなく、正社員として転換すること。
残業ができないことを理解できない会社(上司の下)では、短時間正社員制度は止めておくこと。
極力、残業がない(暇な)時期に短時間正社員に転換すること。
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これで不支給?! キャリアアップ助成金(正社員化コース)その3 短時間正社員
今回は、短時間正社員転換の落とし穴について説明します。
1.概要
A社は、(1日8時間の)正社員がいないのに、(1日6時間の)有期契約社員を(1日6時間の)短時間正社員に転換して、キャリアアップ助成金(正社員化コース)57万円を支給申請した。
2.不支給根拠
「キャリアアップ助成金パンフレット」(※令和3年6月24日更新)
https://www.mhlw.go.jp/content/11650000/000765576.pdf
P17 上21行で、
(4) 多様な正社員への転換の場合にあっては、上記(1)の制度の規定に基づき転換した日において、対象労働者以外に正規雇用労働者(多様な正社員を除く。)を雇用していた事業主であること。
要は短時間正社員以外に、フルタイム正社員がいないと要件を満たさず、不支給です。
3.なぜ、誤認してしまうのか?
では、なぜ、確認せずに1人だけで短時間正社員転換してしまうのでしょうか?
正社員化は厚労省の施策であり、こんな制約があるとは思っていないこと。
キャリアアップ助成金パンフレットの正社員化コースの説明だけで、14ページのボリュームがあり、気が付かないと思われます。
4.対応策等
[結論] 短時間正社員転換では、ベンチマークである通常正社員がいることを確認して進めてください。
先に通常正社員転換してから、短時間正社員転換することも考えておいてください。
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これで不支給?! キャリアアップ助成金(正社員化コース)その2 家族手当
今回は、社労士の常識に従うと不支給になりやすいケースを説明します。
1.概要
有期契約社員の間
基本給 200,000円 家族手当10,000円
正社員化後
基本給 206,000円(3%アップ) 家族手当10,000円
2.不支給根拠
「キャリアアップ助成金パンフレット」(※令和3年6月24日更新)
https://www.mhlw.go.jp/content/11650000/000765576.pdf
P23 上12行で、
家族手当も3%アップ基準では賃金に含めるため、
有期(200,000+10,000) 正社員(206,000+10,000)で
2.86%で不支給です。
3.なぜ、誤認してしまうのか?
では、なぜ、社労士の常識から家族手当を除外してしまうのでしょうか?
社労士受験中に、残業手当のベースに家族手当、通勤手当等は含まれないと覚えているからです。カツベシリイチ で覚えた方も多いのではないでしょうか?
労働基準法第37条第5項の規定によって、家族手当及び通勤手当の他、次に掲げる賃金は、同条第1項及び第4項の割増賃金の基礎となる賃金には算入しない。」(労働基準法施行規則21条)となっています。
逆にキャリアアップ助成金(正社員化コース)の賃金概念は固定的かどうかで判断し、家族手当を賃金に含めています。
4.対応策等
[結論] 家族手当は賃金に含めて算定すること。3%ギリギリとしないで、手当をどう判定されても3%をクリアできるように5%等多めにアップするのが正解です。
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これで不支給?! キャリアアップ助成金(正社員化コース)その1 有期勤続年数
今回は、キャリアアップ助成金パンフレット通りとすると不支給になりやすいケースを説明します。
1.概要
就業規則で、第○条(正規雇用への転換)
「勤続1年以上」の者または有期実習型訓練修了者で、本人が希望する場合は、正規雇用に転換させることがある。としておきながら、
2.不支給根拠
勤続6か月で正社員転換すると、令和3年4月1日以降の取組に係るQ&A
https://www.mhlw.go.jp/content/11650000/000668217.pdf P13
Q-5 正規雇用労働者への転換制度を規定し、就業規則等に転換の要件として「勤続1年以上」と規定しながら、勤続1年未満で所属長の推薦を受けて転換した場合は、本コースの正社員化コースの対象となりません。不支給です。
3.なぜ、誤認してしまうのか?
では、なぜ、勤続6か月以上としないで「勤続1年以上」としてしまう事業主がでるかは、
「キャリアアップ助成金パンフレット」(※令和3年6月24日更新)
https://www.mhlw.go.jp/content/11650000/000765576.pdf
P13 上3行で、
第○条(正規雇用への転換)
「勤続○年以上」の者または有期実習型訓練修了者で、本人が希望する場合は、正規雇用に転換させることがある。となっているからです。
4.対応策等
[結論] 就業規則サンプル通りにせず、6か月以上とするのが正解です。
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やまがみ社会保険労務士事務所 社会保険労務士 山上 幸一 先生
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最低賃金の改正に注意、全国的に28円前後アップ!!
助成金の申請では、雇用契約書、賃金台帳を添付する助成金がたくさんあります。
今年度は、最低賃金が28円近くアップしていますが、労使ともに気がつかず、最低賃金で契約したままになっていることも見られます。
令和3年10月1日~東 京 1,041円(1,013円) 神奈川 1,040円 (1,013円)
特に、キャリアアップ助成金正社員化コースで、最低賃金違反の場合には賃金を適正に支払ったと認められず、不支給の場合があります。必ず支給申請前に是正して下さい。
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働き方改革推進支援助成金15日(金)で締切!
働き方改革推進支援助成金(労働時間短縮・年休促進支援コース)(勤務間インターバル導入コース)他の締め切り情報です。
重要なお知らせ
・本助成金については多数の申請がありましたので、「労働時間短縮・年休促進支援コース」については、本年度の交付申請の受付は2021年10月15日までとさせていただきます。
・なお、10月15日までに郵送等で申請いただいている分については受理いたします。(※)
※郵送の場合、10月15日付の消印は受理いたします。電子申請の場合、同日付の申請は受理いたします。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000120692.html
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「65 歳超継続雇用促進コース」の9月24日新規受付停止について
「65歳超継続雇用促進コース」の新規受付停止の情報です。
20日、23日は祭日です。実質、明日17日に資料を整えないと難しいです。
24日消印受付は簡易書留のみです。
郵便局の書留受付時間はコロナで早まっていますので注意してください。
結果として、就業規則改定料の振込が22日まで、労基署へ行く場合には22日まで
23日までに施行の就業規則でないと、24日支給申請ができないです。
27日に(減額して)また受付を始めると書いてあります。
令和3年度65歳超雇用推進助成金(65歳超継続雇用促進コース)の新規申請受付停止について
https://www.jeed.go.jp/elderly/subsidy/om5ru80000002trp-att/q2k4vk0000042ehf.pdf
「65歳超雇用推進助成金」は、65歳以降の継続雇用延長・65歳までの定年引き上げの取り組み等を行う企業に対して支援するため、事業主の皆様からの申請を受け付けておりましたが、このたび、「65歳超継続雇用促進コース」について、多数の申請がございましたので、次のとおり、本年度の新規申請受付を終了させていただくこととしました。
○65歳超継続雇用促進コースについて
令和3年9月24日(金)までに、(独)高齢・障害・求職者雇用支援機構の各都道府県支部高齢・障害者業務課(東京および大阪は高齢・障害者窓口サービス課。以下「機構」という。)へ支給申請を行ったものまでを受け付けます。具体的には以下のとおりです。
<持参による申請の場合>
令和3年9月24日(金)17時までに持参されたものまでを受け付けます。
<持参以外による申請の場合>
簡易書留による郵送のみとし、令和3年9月24日(金)の消印のものまでを受け付けます。
※1高年齢者評価制度等雇用管理改善コースおよび高年齢者無期雇用転換コースについては、これまでどおり計画認定申請および支給申請を受け付けます。
※2多数の申請をいただいており、審査には通常よりも期間を要する場合がありますので、あらかじめご了承ください。
今後、安定的に支援を継続できるような制度への見直しを検討します。その上で、令和3年9月27日(月)以降に申請予定だった事業主の皆様の取扱いも含め、改めて御案内させていただく予定です。
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65歳超やキャリアアップはどうなる?令和4年度助成金情報 予算概算要求
厚生労働省令和4年度予算概算要求の主要事項 助成金関連事項から、来年度助成金についてコメントしました。なお、概算要求であり確定ではありませんので注意してください。
(1)65歳超雇用推進助成金
高齢者の就労・社会参加の促進 283億円(303億円)
70歳までの就業機会確保等に向けた環境整備や高年齢労働者の処遇改善を行う企業への支援 65億円(80億円)
70 歳までの就業機会確保に向けた環境整備を図るため、65 歳を超える定年引上げや継続雇用制度の導入等を行う企業、60 歳から64 歳までの高年齢労働者の処遇改善を行う企業への支援を行う。
また、65 歳超雇用推進プランナー等による提案型の相談・援助による支援を行う。
[山上コメント]
令和3年度に70歳以上の定年延長で1人でも20万円⇒120万円に爆上げした65歳超継続雇用促進コースですが、来年度もしっかり65億円(80億円)8割ほど予算を取りました。
予算だけ想像では120万円は100万円に減額して存続ということになります。
(2)働き方改革推進助成金
長時間労働の是正 125億円(133億円)
① 生産性を高めながら労働時間の縮減等に取り組む事業者等の支援
82億円(90億円)
中小企業・小規模事業者の抱える様々な課題に対応するため、「働き方改革推進支援センター」によるワンストップ相談窓口において、関係機関と連携を図りつつ、個別訪問支援やセミナー等を実施する。
生産性を高めながら労働時間の短縮等に取り組む中小企業・小規模事業者に対して助成を行うとともに、働き方・休み方改善ポータルサイトを通じた企業の改善策の提供と好事例の紹介、働き方・休み方改善コンサルタントによる専門的な助言・指導等を行う。
②略
③ 勤務間インターバル制度の導入促進(一部再掲・65ページ参照)
27億円(24億円)
勤務間インターバル制度について、業種別導入マニュアルを引き続き作成するほか、中小企業が活用できる助成金制度を推進するとともに、制度導入に係る好事例の周知等を通じて、導入促進を図る。
[山上コメント]
令和3年度は、9割以上が時短・年休コースの申請になった働き方改革推進助成金ですが、勤務間インターバル制度導入コースで、③ 勤務間インターバル制度の導入促進27億円(24億円)で予算を増やしました。少し、要件の緩和の期待ができます。
やっぱり、36協定は出しておきましょう。
(3)業務改善助成金
最低賃金・賃金の引上げに向けた生産性向上等に取り組む企業への支援【一部推進枠】 34億円(12億円)
最低賃金・賃金の引上げには、特に中小企業・小規模事業者の生産性向上が不可欠であり、事業場内の最低賃金を一定額以上引き上げ、生産性向上に資する設備投資等を行う中小企業・小規模事業者に対する業務改善助成金の充実により、業務改善や生産性向上に係る企業のニーズに応え、その賃金引上げを支援する。
[山上コメント]
業務改善助成金は予算を上げました。このくらいでは要件は変わらないと思います。
(4)キャリアアップ助成金
非正規雇用労働者のキャリアアップの推進等
非正規雇用労働者の正社員化・処遇改善を行う企業への支援565億円の内数(738億円の内数)
キャリアアップ助成金の助成対象を正社員待遇を受ける労働者に転換した場合に絞り込むなどの見直しを行い、非正規雇用労働者の正社員転換や処遇改善を推進する。
[山上コメント]
キャリアアップ助成金正社員化コースは、無期転換を無くし正社員待遇への転換だけになりそうです。
(5)両立支援等助成金
男性が育児休業を取得しやすい環境の整備に向けた企業の取組支援
125億円(136億円)
育児休業の制度等に係る周知・啓発や助成金による支援を引き続き実施する。特に、子の出生直後における柔軟な育児休業の枠組みの創設等を内容とする改正育児・介護休業法の円滑な施行を図るため、配偶者が出産を控えた男性労働者等に対する育児休業の意義・目的の周知や、企業に対する男性の育児休業等の取得促進に係るセミナー等を実施する。
介護離職防止に向け、事業主に対して育児・介護休業法の周知徹底及び相談・指導を行うとともに、労働者等への介護休業制度等の周知広報やケアマネジャー等が仕事と介護の両立に関する知識を習得するための研修カリキュラムを用いた研修を実施する。
[山上コメント]
令和2年度に下記のように変更したものですが、来年度も進めていける予算を要求しました。
<出生時両立支援コース(子育てパパ支援助成金)>
〇個別支援加算の新設
*男性の育児休業を取得しやすい職場風土づくりの取組に加えて、対象男性労働者に対し、育児休業取得前に個別面談など育児休業の取得を後押しする取組を行った場合に、以下の金額を加算。
1人目の育児休業取得:中小企業10万円(12万円) 大企業 5万円(6万円)
2人目以降の育児休業取得:中小企業 5万円(6万円) 大企業 2.5万円(3万円)
※()内は生産性要件を満たした場合の金額
※育児休業については、育児休業等支援コース(育休取得時・職場復帰時)との併給は不可となります。
※「5日以上14日未満の育児休業については所定労働日が4日以上」、「14日以上については所定労働日が9日以上」であることが要件となります。
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